マイクロプラスチック

プラスチックと環境問題

マイクロプラスチックとは、5mm以下の大きさのプラスチックのことをいいます。プラスチックごみとして海洋中に長期間漂うことで、環境を汚染し、生態系への悪影響が懸念されています。

マイクロプラスチックの何が問題となっているか?

海洋中を拡散しやすく回収が困難

マイクロプラスチックごみは、5mm以下と小さいため、海流に乗って拡散しやすく海の広範囲を汚染してしまいます。そして海の広い範囲が汚染されたとしても、このサイズのごみは、回収するのが非常に困難です。

海の生き物が間違って食べてしまう

海で暮らす生き物の体内から、マイクロプラスチックが次々と発見されています。

微小プラ、世界の魚介類に 日本は1人年13万個摂…(写真=共同) - 日本経済新聞
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マイクロプラスチックは非常に小さいため、魚や鳥がえさと間違って飲み込んでしまうためだと考えられています。

プラスチックですので飲み込んでも消化されず、消化管の中にプラスチックが溜まって最悪死んでしまう場合もあります。

死には至らなくとも、体内に異物が蓄積されることにより、様々な悪影響が予想されます。プラスチック自体に含まれる化学物質や、海洋中を漂う際に吸着した有害物質が鳥や魚の体内に取り込まれることで、健康を阻害する恐れがあります。

食物連鎖で、人間もマイクロプラスチックや有害物質を取り込む可能性

そして、鳥や魚の体内に取り込まれたマイクロプラスチックや有害物質は、食物連鎖で濃縮されていきます。

食物連鎖の頂点である人間も魚を食べることにより、間接的に自らの体内にマイクロプラスチックや有害物質をため込んでいくことになると思われます。

但し、取り込まれる有害物質の量がどれ位なのか、中長期でも健康に問題ないレベルの量なのか、まだはっきりとわかっておらず、今後の調査の進展が待たれます。

 

マイクロプラスチックはどこからやって来るのか

マイクロプラスチックの多くが、陸で発生した生活ごみといわれています。不法投棄されたプラスチックが川を経て海に流れ込んだり、不適切に埋め立てられたプラスチックごみが海に流出したりして海洋を汚染します。

これらのプラスチックごみの多くが、最初から5mm以下のサイズだったわけではなく、川や海を漂っているうちに大きなプラスチックが波の力や太陽の光の影響で細かく砕け、マイクロプラスチックになります。

ほとんどの種類のプラスチックは、波や太陽の光で細かく砕けても、低分子まで分解されるには数十年~数百年かかるため、その間ずっと海洋中を漂い続けるのです。

 

マイクロプラスチックの種類

ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)といった汎用プラスチックが、海洋中のマイクロプラスチックごみの大部分を占めています。

プラスチックの中でも生産量が多いため、廃棄される量もそれに比例して多くなるからです。

中でも、PE、PPは比重が水よりも小さく、海水表面にプカプカと浮いて海洋中を漂ったり、海岸に打ち上げられたりします。対して、PETやPS、PVCは水よりも比重が重いため、海底に溜まっていく傾向にあります。

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