新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっています。厚労省のウェブサイトでも感染拡大防止のため、こまめな手洗いやモノに対する消毒が推奨されています。
新型コロナウイルスの感染経路の主なもののひとつに、モノ(手すり、ドアノブ、スイッチ、機械の操作ボタン、タッチパネル等)を介してウイルスが付着、移動することによって感染する、「接触感染」があげられており、プラスチック表面に付着したウイルスについても非常に気になるところです。
そこで今回は、プラスチック表面に付着したウイルスがどれくらいの期間感染力を持ち続けるのか、各方面で調査された結果のニュースがありますのでご紹介します。
プラスチックの表面でも3日間 新型コロナの感染力
2020.4.30 日経Gooday 30+
それによると、エアロゾル状態に比べて、モノに付着すると感染力の維持時間が長くなる傾向のようです。なかでも、プラスチックは他の素材に比べて長めの傾向で、注意が必要です。
・エアロゾル :約 3時間
style.nikkei.com
・鋼板 :約 4時間
・厚紙 :約24時間
・ステンレス :約48時間
・プラスチック:約72時間
コロナウイルス、感染力を保つ長さは? 空気中は3時間
2020.4.11 朝日新聞デジタル
こちらでは米国の国立アレルギー感染症研究所の研究結果が紹介されていますが、ここでも2~3日との実験結果が出ています。
新型コロナウイルス、モノの表面にはどのくらい残り続ける?
2020.4.17 ニューズウイーク日本版
評価の仕方やプラスチックの表面状態によって、感染力の維持時間は変わってくるので、一概には比較できませんが、香港大学の研究グループの実験結果では7日経過しても、医療マスクの表面からウイルスの感染力が確認されたとのことです。
まとめ
これらの報告から、布や紙のような柔らかくで(ミクロ的には)すき間のあるものより、金属やプラスチックのような硬くてつるつるの(ミクロ的には)すき間がないものの方が、感染力を維持する時間が長いことがわかりました。
特にプラスチック上では同じつるつるな金属などに比べて、ウイルスは感染力を維持しやすいようです。
スマートフォンや照明のスイッチなど、身の周りのプラスチックはこまめに消毒を行っていきましょう。
抗菌プラスチック
プラスチックに抗菌剤などを練りこんだりコーティング処理した、「抗菌プラスチック」が市場に出回っています。
筆者の周りを見回してみると、プラスチックはいたるところに使用されていますが、「抗菌プラスチック」が使われている場所はまだ限られており、病院や介護施設、家庭内ではトイレや文房具などで見かける程度です。
しかし最近のコロナ騒動で、今後は抗菌プラスチックが再び脚光をあび、もっと普及してくるのではないかと予想しています。
普及のカギとなるのは、新型コロナウイルスに対する評価結果がきっちりと示されているかどうかだと思います。
新型コロナウイルスに対して抗ウイルス効果があるプラスチックが開発されれば、電車のつり革や手すり、ドアノブ、マスク表面の不織布など、いろいろな場所に適用できるのではないでしょうか。
今後の開発が期待されます。